原子核反応データ研究開発センター(JCPRG)
 概要

当グループは日本の加速器で生成された荷電粒子核反応のデータ収集を行なっています。 収集データは当グループの書式 (NRDF : Nuclear Reaction Data File) に編集され、 検索用に公開されています。 当センターは、 核反応データセンターネットワークの一員でもあり、 編集したデータの一部は国際交換書式 (EXFOR:EXchange FORmat) の形で、 国際原子力機関 (IAEA) を通じて世界の核データセンターに配布されています。

沿革

我が国の核理論委員会と原子核懇談会で承認を受けて、 荷電粒子核反応データ収集の研究計画が開始されたのは1974年のことです。 この計画が開始に際して、 日本原子力研究所核データセンターとの間で作業分担に関する合意がなされました。 それは、 当グループは荷電粒子核反応に関して責任を持つ一方で、 中性子データについては原研核データセンターに委ねるというものでした。

固有のデータベース (NRDF, Nuclear Reaction Data File) は、 当時の文部省からの科研費による財政的援助を基に研究グループにより作られました。 データの蓄積と検索機能の追加を経て、 1987年には、 この計画は研究・試験の段階からデータの収集・配布の段階へと発展しました。 続いて、 研究組織は日本荷電粒子核反応データグループ (JCPRG, Japan Charged-Particle Nuclear Reaction Data Group) として認知され、 北海道大学理学部物理学教室原子核理論研究室を通じて、 文部省から事業費を措置されることになりました。 この予算は2001年をもって終了することとなり、 以降は年単位の競争的資金に置き換えられました。

2007年4月1日に、 日本荷電粒子核反応データグループ (JCPRG)は 北海道大学大学院理学研究院附属原子核反応データ研究開発センター (JCPRG, Hokkaido University Nuclear Reaction Data Centre)という 研究院内措置のセンターに改組されました。 また同時に、 北海道大学大学院理学院の宇宙理学専攻に(独)日本原子力研究開発機構 との大学院連携分野「核データ」が設置されました。 更に2011年4月1日には理学研究院の正式な附属教育研究施設に昇格しました。

目的

JCPRGの最大の目的は、 日本の加速器で生産された荷電粒子核反応の全てを、 固有の書式NRDFにしたがって採録し蓄積することで、 学術目的のデータベースを構築し提供することです。 また、 NRDFを国際的な書式であるEXFOR (Exchange FORmat) に変換し、 それらを国際原子力機関核データ部(IAEA-NDS)に送付することに関しても、 JCPRGは責任をもっています。

組織

JCPRGには、 荷電粒子核反応データファイル助言委員会、 荷電粒子核反応データファイル管理運営委員会、 荷電粒子核反応データファイル年次報告編集委員会、 辞書作業部会 が設置されています。

荷電粒子核反応データファイル助言委員会
助言委員会は、 日本の主要な原子核実験施設・研究所を代表する委員から組織されており、 荷電粒子核反応データファイル(NRDF)の作成に関する助言を行います。
荷電粒子核反応データファイル管理運営委員会
管理運営委員会は、 助言委員会の助言と指導のもと、 実際に荷電粒子核反応データファイル(NRDF)の作成と管理に対して責任を持ちます。
荷電粒子核反応データファイル年次報告編集委員会
年次報告編集委員会は、 荷電粒子核反応データファイル(NRDF)に関わる年次報告書の編集を行います。
辞書作業部会
辞書作業部会は、 荷電粒子核反応データファイル(NRDF)とEXFORの作成と利用に関しての技術的な問題を扱う部会です。